アーティスト/オーストラリア
ジョージア・マルホランドは、オーストラリア(メルボルン)とパレスチナを拠点に活動するアーティストです。音や写真、映像などを用いた作品を通して、「記憶」や「場所」、そして「アイデンティティ」といったテーマを探求しています。コミュニティづくりや人道支援にも関わりながら、さまざまな人々の声や経験に寄り添う活動を続けています。
【活動内容】
本プロジェクトは、家族や世代、文化を越えて受け継がれ、日常的な営みの中で静かに語り継がれる物語を軸とする「もうひとつの記憶のアーカイブ」の構築を目指すものです。パレスチナを一つの拠点に活動するマルホランドが継続して行ってきた、公式な歴史的記録の外側にある失われやすい記憶に耳を傾ける実践の一環として、MiSHŌでのレジデンスプログラムにおいて展開されます。
マルホランドは、語りによる記憶の伝達(オーラルヒストリー)を、書かれた歴史に従属するものではなく、それ自体がひとつの知のあり方として捉えています。本プロジェクトでは、音を主な手法として用い、インタビューや会話、環境音といった記録を通して、人々がどのように記憶を分かち合い、時間の中で受け継いでいるのかを探ります。
また、マルホランドがパレスチナで目の当たりにしてきたような、人々が強制的に故郷を追われることや、存在や記憶が消されていく状況に応答しながら、本プロジェクトは見過ごされがちな個人的、あるいは継承されてきた物語に目を向けます。そして、記憶が時間や場所を越えてどのように持続するのか、またそれが音や映像、そしてそれらに注意深く耳を傾けることを通してどのように保たれうるのかを探ります。
滞在中は、記憶や物語をテーマにしたワークショップやトークイベントを実施予定です。参加者が自身の記憶や大切なものについて語り合う参加型のワークショップや、アーティストを招いた対話形式のトークを通して、記憶の共有や語りのあり方について考える場をひらきます。
現代アーティスト/インド EN
ヴィクラム・アローラは、エコロジー、人間の介入、そして、物質に宿る記憶が交わるの接点を探求する現代アーティストです。インドのサー・J.J.美術大学で美術学士号(B.F.A.)を取得し、その後フランスでも研鑽を積み、インスタレーション、ランドアート、ある環境へのコンセプチュアルな介入などを通じて多様な手法を横断しながら制作を行ってきました。
代表的なプロジェクトには、アーレイの森の先住民族地域の土壌を用いた《Dhartari》や、雪景におけるランドアート《Haldi》などがあり、環境にまつわる物語や文化的象徴性に深く関わる作品を制作しています。
これまでフランス、中国、トルコ、ニューヨーク、スイス、モーリシャスなど、国際的に作品を発表してきました。
彼の実践はしばしばサイトスペシフィックな性格を持ち、土地や風景、さらには地域コミュニティとの協働を通じて、持続可能性や生態系の不均衡についての考察を促しています。
現代アーティストのヴィクラム・アローラは、藤野の里山を舞台に、人と自然の関係に目を向けた滞在制作を行います。
本プロジェクトは、アローラがこれまで続けてきたリサーチプロジェクト「Encroachment(エンクローチメント:侵食)」をもとに、人の営みと自然によるゆるやかな変化がどのように重なり合い、風景が変わっていくのかを探るものです。
「Carbon Bloom」は、ふだんは目に見えない炭素(カーボン)を、触れられるようなかたちとして表していく、屋外のインスタレーション作品です。環境の中で少しずつ変化しながら展開していきます。
制作は、決まった計画に沿って進めるのではなく、実際に土地を歩き、周囲の環境を観察することから始まります。作品には、その場所で手に入る素材や環境に配慮した材料を用い、状況に応じて姿を変えていきます。
このプロジェクトでは、風景がゆっくりと静かに変わっていく様子や、人がつくったものと自然との境界が次第に曖昧になっていく過程に目を向けます。
MiSHŌ Residency 05
OPEN STUDIO
Georgia Mulholland ジョージア・マルホランド
オーストラリア(メルボルン)とパレスチナを拠点に活動するアーティスト。音、写真、映像を用い. ながら、「記憶」「場所」「アイデンティティ」をテーマに作品を制作。
今回の滞在制作では、家族や地域のなかで語り継がれてきた記憶や物語を記録するプロジェクト《Echoes ― もうひとつの記憶のアーカイブ》の一環として制作された写真シリーズを展示します。
Echoes: 記憶をめぐるガイドセッション(通訳:新井聡子)
14:00-15:00(場所:MiSHŌ House)
アーティスト自身が案内役となり、写真やリサーチ資料をご紹介します。
写真を見ながら、各地で出会った人々との対話や、プロジェクトの中で集められた記憶の断片を共有し、歴史として記録される出来事と個人の経験として受け継がれる記憶との関係について考えます。参加者それぞれの記憶や経験にも耳を傾けながら、「記憶を受け継ぐこと」の意味をともに探ります。
Vikram Arora ヴィクラム・アローラ
インド・ムンバイを拠点とする現代アーティスト。 土地や風景、地域コミュニティとの関係性をテー マに、インスタレーションやランドアートを制作。《Encroachment(侵食)》をテーマに、藤野の里. 地・里山でのリサーチをもとに竹や炭を素材やモチーフとしたインスタレーション作品を発表します。
屋外インスタレーション「Carbon Bloom」ガイドツアー
11:00- 13:00- 15:00- (約50分)
《Carbon Bloom(炭素の花)》 は、森の手入れや炭づくりから土へ還る循環を手がかりに、人と自然 の関係の変化と再生を表現したインスタレーション作品です。ガイドツアーでは、藤野の里地で行われ る環境再生活動のフィールドのひとつ「縄文ファームくだもの畑」に設置された作品を訪ね、
アーティストとともに制作の背景や作品に込められた視点をたどります。
パック・セザンヌ・ファン・ビーメン
アーティスト・ミュージシャン EN
パック・セザンヌ・ファン・ビーメンは、分野を横断して活動するアーティストで
あり、ミュージシャンです。彼女は自身のサウンドをドリーミーなネオソウル、
オルタナティブR&B、フォーク、そして映画音楽を融合させた独自のスタイル
「シネマティック・ソウル」と称しています。セザンヌは、その親密な
パフォーマンスと、個人的な物語を自然、哲学、
精神性といったより広いテーマへと編み込んでいく表現スタイルで知られています。
【活動内容】
MiSHŌでのレジデンス期間中、セザンヌは日本の神話、精神性、そして自然環境にまつわる物語をテーマにした新作EPの制作に取り組みます。地域の環境に身を置き、フィールドレコーディングを行うことで、それらを楽曲の音の基盤として活用する予定です。
また、自然や儀式に関する物語を考察し、それらのテーマを歌詞や編曲、そしてオーディオビジュアルの断片へと昇華させていきます。MiSHŌでのレジデンスは、プロジェクトの概念的な枠組みを形作り、地元のアーティストやコミュニティとのつながりを深める重要なリサーチ期間となります。最終的には、彼女自身の芸術的な声を核としながらも、日本の文化的・環境的な文脈に深く根ざした作品を創り上げることを目指しています。
MiSHŌ Residency 04
LIVE
Cézanneはこの春、藤野でのレジデンスを通じて新たな楽曲を制作しました。
滞在中には、藤野を拠点にアンビエント・ポップなど
独特の世界観を表現するミュージシャンRie Mitsutakeとのコラボレーションも実現。
今回のライブでは、CézanneにバンドメンバーMarcel Petitが加わり、新旧楽曲を披露します。
Rie Mitsutakeによるオープニングアクトの他、
二人による共作「あたたかな」も演奏されます。
会場では、間伐材から作られるお香とのコラボレーションとして、
音だけでなく藤野の山の香りを取り入れた多感覚的なパフォーマンスを展開します。
Cézanne
Rie Mitsutake
2000年代初頭より自己表現のプロジェクトとして自宅録音での音楽制作を始める。
国内外のレーベルより2枚のソロアルバムをリリースした他、海外アーティストとのコラボも多数。
アンビエント・ポップのユニットOh, Yokoとしても活動。
様々な楽器や電子音にボーカルを織りなすスタイルをベースとしながら、
ジャンルや国籍を超えた独特の世界観のある音楽を発表し続けている。
Rie Mitsutake
協力:カドナリ、inou studio、鶴島の神明社、Mossrock山
【関連イベント】
【日時】4月25日(土)18:00-19:30 (open 17:30)
【場所】カドナリ(JR中央線藤野駅前)
【料金】ドネーション+ワンドリンクオーダーをお願いします
アーティスト・日本茶インストラクターEN
1996年、佐賀県生まれ。
日本茶インストラクターの資格を取得し、日本茶専門店での勤務を経て、お茶にまつわる活動を開始。「植物をのむ」営みを手がかりに、
茶畑とその周辺の山や森へ、フィールドワークに出かける。
北アルプスに位置する雲ノ平山荘では、枝打ちされた松葉を活用する試験的なプロジェクトにジョインし、今年は山荘でお茶にまつわる企画を行う。
秋にはリトアニアを起点に、森でのリサーチやホームステイを通して、その土地に根づくハーブのある暮らしに向き合い、お茶会をひらく予定。
【活動内容】
お茶とその周囲にある自然環境を知るためにフィールドワークを行います。
放棄茶園にまつわる活動に参加して、土地の再生、また茶畑の活用方法を模索します。
お茶と暮らしの結びつきとそれらの地域性、また自然環境から得られる気づきを通し、
「植物をのむ」ことに対して多角的な視点から理解を深めていきます。
さらには、その学びをいかしたお茶会をひらきます。