レト・プルファー(1981年、ベルン生まれ)は独学のアーティストで、古いベッドシーツや特大サイズの布、自作のテントなどを素材にした没入型インスタレーションを制作しています。彼の実践は、絵画、彫刻、フィクション的な文章表現、植物を用いたインスタレーション、天然染料、テキスタイルの手仕事、組みひも、サウンドスケープ、パフォーマンスなど多岐にわたります。現在はドイツのウッカーマルク地方を拠点に活動。
主な個展に、クンスト・ハレ・ザンクトガレン(2024年)、スパイク・アイランド(ブリストル、2015年)、ジュネーブ現代美術センター(2015年)、
スイス・インスティテュート(ニューヨーク、2013年)など。グループ展には、ミグロ現代美術館(チューリッヒ、2025年)、リバプール・ビエンナーレ(2021年)、ラファイエット・アンティシパシオン(パリ、2020年)、パリ市立近代美術館(2019年)、カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館(トリノ、2018年)、第10回ニカラグア・ビエンナーレ(2016年)、ハウス・デア・クルトゥーレン・デア・ヴェルト(ベルリン、2015年)などがある。
リサーチ・プロジェクト 「雑草は編むことができるのか?」 レト・プルファー
人は植物の繊維を用いて籠やリボンを編みますが、雑草そのものが「編む」という行為をすることはあり得るのでしょうか。技術的に編み込みとは、要素が繰り返し交差し、結びつくことでより強い結束を生み出す動きのことを指します。
日本には豊かな植生があり、他国では侵略的外来種とされる、成長の早い地下茎性やつる性の雑草が多く存在します。かつて私はイタドリの地下茎を使ったインスタレーションを制作しました。イタドリは、日本の常に変化する火山の荒々しい山肌に自生する植物ですが、ヨーロッパでは競合する種が少なく、際立った繁殖力があります。今回私は、これらの植物を本来の生息地で観察したいと考えています。さらに「つる植物の王」とも呼ばれるクズにも注目します。クズは自然環境の中では他のつる植物と競いながらも、圧倒的な繁茂力で植生を覆い尽くします。
このリサーチの一環として藤野に滞在し、日常生活におけるクラフトの役割と価値を探ります。アーティストとして、エコロジカルな素材の可能性を考察することは重要です。私はこれまでもリサイクル素材や竹、木、草、つる植物など地域に根ざした繊維素材を使った編みや籠作りを研究してきました。布を用いたインスタレーションでは、異なるテキスタイル技法を独自に組み合わせ、消費社会が生み出す廃棄物や自然への影響を問いかけています。
▶︎ぐるっとお散歩篠原展 2025
※参加内容未定
【日時】10月12日(日)・13日(月・祝)
【会場】新井家