MiSHŌ Residency 05    
(May 2026)



Georgia Mulholland ジョージア・マルホランド
アーティストオーストラリア
EN




ジョージア・マルホランドは、オーストラリア(メルボルン)とパレスチナを拠点に活動するアーティストです。音や写真、映像などを用いた作品を通して、「記憶」や「場所」、そして「アイデンティティ」といったテーマを探求しています。コミュニティづくりや人道支援にも関わりながら、さまざまな人々の声や経験に寄り添う活動を続けています。

【活動内容】

本プロジェクトは、家族や世代、文化を越えて受け継がれ、日常的な営みの中で静かに語り継がれる物語を軸とする「もうひとつの記憶のアーカイブ」の構築を目指すものです。パレスチナを一つの拠点に活動するマルホランドが継続して行ってきた、公式な歴史的記録の外側にある失われやすい記憶に耳を傾ける実践の一環として、MiSHŌでのレジデンスプログラムにおいて展開されます。

マルホランドは、語りによる記憶の伝達(オーラルヒストリー)を、書かれた歴史に従属するものではなく、それ自体がひとつの知のあり方として捉えています。本プロジェクトでは、音を主な手法として用い、インタビューや会話、環境音といった記録を通して、人々がどのように記憶を分かち合い、時間の中で受け継いでいるのかを探ります。

また、マルホランドがパレスチナで目の当たりにしてきたような、人々が強制的に故郷を追われることや、存在や記憶が消されていく状況に応答しながら、本プロジェクトは見過ごされがちな個人的、あるいは継承されてきた物語に目を向けます。そして、記憶が時間や場所を越えてどのように持続するのか、またそれが音や映像、そしてそれらに注意深く耳を傾けることを通してどのように保たれうるのかを探ります。

滞在中は、記憶や物語をテーマにしたワークショップやトークイベントを実施予定です。参加者が自身の記憶や大切なものについて語り合う参加型のワークショップや、アーティストを招いた対話形式のトークを通して、記憶の共有や語りのあり方について考える場をひらきます。








Vikram Arora ヴィクラム・アローラ
現代アーティスト/インド  EN





ヴィクラム・アローラは、エコロジー、人間の介入、そして、物質に宿る記憶が交わるの接点を探求する現代アーティストです。インドのサー・J.J.美術大学で美術学士号(B.F.A.)を取得し、その後フランスでも研鑽を積み、インスタレーション、ランドアート、ある環境へのコンセプチュアルな介入などを通じて多様な手法を横断しながら制作を行ってきました。

代表的なプロジェクトには、アーレイの森の先住民族地域の土壌を用いた《Dhartari》や、雪景におけるランドアート《Haldi》などがあり、環境にまつわる物語や文化的象徴性に深く関わる作品を制作しています。
これまでフランス、中国、トルコ、ニューヨーク、スイス、モーリシャスなど、国際的に作品を発表してきました。

彼の実践はしばしばサイトスペシフィックな性格を持ち、土地や風景、さらには地域コミュニティとの協働を通じて、持続可能性や生態系の不均衡についての考察を促しています。


【活動内容】

現代アーティストのヴィクラム・アローラは、藤野の里山を舞台に、人と自然の関係に目を向けた滞在制作を行います。

本プロジェクトは、アローラがこれまで続けてきたリサーチプロジェクト「Encroachment(エンクローチメント:侵食)」をもとに、人の営みと自然によるゆるやかな変化がどのように重なり合い、風景が変わっていくのかを探るものです。

「Carbon Bloom」は、ふだんは目に見えない炭素(カーボン)を、触れられるようなかたちとして表していく、屋外のインスタレーション作品です。環境の中で少しずつ変化しながら展開していきます。

制作は、決まった計画に沿って進めるのではなく、実際に土地を歩き、周囲の環境を観察することから始まります。作品には、その場所で手に入る素材や環境に配慮した材料を用い、状況に応じて姿を変えていきます。

このプロジェクトでは、風景がゆっくりと静かに変わっていく様子や、人がつくったものと自然との境界が次第に曖昧になっていく過程に目を向けます。






MiSHŌ Residency 05
OPEN STUDIO




Georgia Mulholland  ジョージア・マルホランド

オーストラリア(メルボルン)とパレスチナを拠点に活動するアーティスト。音、写真、映像を用い.   ながら、「記憶」「場所」「アイデンティティ」をテーマに作品を制作。
今回の滞在制作では、家族や地域のなかで語り継がれてきた記憶や物語を記録するプロジェクト《Echoes ― もうひとつの記憶のアーカイブ》の一環として制作された写真シリーズを展示します。


Echoes: 記憶をめぐるガイドセッション(通訳:新井聡子)
14:00-15:00(場所:MiSHŌ House)

アーティスト自身が案内役となり、写真やリサーチ資料をご紹介します。
写真を見ながら、各地で出会った人々との対話や、プロジェクトの中で集められた記憶の断片を共有し、歴史として記録される出来事と個人の経験として受け継がれる記憶との関係について考えます。参加者それぞれの記憶や経験にも耳を傾けながら、「記憶を受け継ぐこと」の意味をともに探ります。




Vikram Arora ヴィクラム・アローラ

インド・ムンバイを拠点とする現代アーティスト。 土地や風景、地域コミュニティとの関係性をテー マに、インスタレーションやランドアートを制作。《Encroachment(侵食)》をテーマに、藤野の里.  地・里山でのリサーチをもとに竹や炭を素材やモチーフとしたインスタレーション作品を発表します。

屋外インスタレーション「Carbon Bloom」ガイドツアー
11:00- 13:00- 15:00- (約50分)


《Carbon Bloom(炭素の花)》 は、森の手入れや炭づくりから土へ還る循環を手がかりに、人と自然   の関係の変化と再生を表現したインスタレーション作品です。ガイドツアーでは、藤野の里地で行われ   る環境再生活動のフィールドのひとつ「縄文ファームくだもの畑」に設置された作品を訪ね、
アーティストとともに制作の背景や作品に込められた視点をたどります。