ジェームズ・タランバスは、音と時間を扱うアートを空間的かつ物理的な素材として探求する、マルチディシプリナリー(多分野型)のアーティスト/作曲家です。
アメリカの作曲家エレン・フルマンとポーリン・オリヴェロスに師事し、建築や彫刻を一つの楽器として捉えた共鳴や音響によって形づくられるサイトスペシフィックな作品を制作し、没入感のある情感豊かなインスタレーションやパフォーマンスを展開しています。
また、テクノロジーとアヴァンギャルドに取り組む音楽家やアーティストたちのコラボレーションを促すべく、
ギャラリー・スタジオ・リサーチスペース・実験的リスニングルームを備えた「New Media Contemporary」を設立しました。
タランバスは、エレン・フルマン、マリーナ・ローゼンフェルド、クリスティーン・サン・キム、ダラス交響楽団、フォートワース・オペラなどとコラボレーションを行ってきました。
その活動は、NPR/KERAの「Art & Seek」、Texas Tribune、Dallas Observer、Sound Live Tokyo などでも紹介されています
【活動内容】
「実生(みしょう)」――すでにあるものから新たに芽生える若木というこの言葉は、今の私の制作の在り方と深く響き合っています。
私はもう一度内側へと意識を向け、 これからの作品のかたちを静かに聴き取る時期にあると感じています。
藤野が持つゆるやかな時間の流れ、アーティストの拠り所としての役割、そして再生と循環
を重ねる地域の自然と文化は、そうした“耳を澄ます”ための豊かな土壌のように思えます。
この滞在では、藤野の音に身を浸し、森や山裾が響き合う音だけでなく、建築空間に潜むかすかな気配にも耳を傾けたいと思います。この土地に息づく長い芸術の歴史――壁の内側に積み重ねられた声や上演、集いの余韻が、空間の中に静かに残っているように感じるからです。
自然と人が形づくったその響きに心を合わせることで、この地域が育んできた芸術的精神の記憶を映し取り、次の作品へと受け継ぎながら、自身の表現を新たに方向づけていきたいと考えています。
【関連イベント】
▶︎ Deep listening Sessions James Talambas x Ton
【日時】10月11日(土)17:00-19:00(open 16:30)
【場所】kadonari
▶︎ MiSHŌ Residency 03 オープンスタジオ
10月25日(土)・26日(日)13:00-17:00を予定